カオリンは、 天然に産出する粘土(鉱物名:カオリナイト、化学式:Al2O3・2SiO2・2H2O)です。
米国ジョージア州では世界最大規模の鉱床から良質のカオリナイトを産出し、厳密な品質管理のもとにカオリンを製造しており
通称ジョージアカオリンと呼ばれています。
このカオリンには、製造方法の違いにより、湿式カオリン、焼成カオリンがあります。
湿式カオリンは、水を利用して精製および漂白することにより、不純物が除去され、白色度が高くなります。
また水簸(湿式分級)により粒度を調整しているため、シャープな粒度分布を持ちます。
さらに、優れたレオロジー特性をもち、耐薬品性に優れることから、
塗料、接着剤、ゴム、プラスチックの無機充填剤や安定剤はじめ幅広く使用していただいています。
焼成カオリンは、湿式カオリンを焼成することにより、結晶水が放出し、もとの結晶構造が崩壊します。
その結果、活性が高まり、遊離イオンが吸着固定化されることにより絶縁効果が高まります。
また焼成処理により有機物が分解されるために、さらに白色度が高まり、分散性が向上します。
さらに、隠ぺい力、耐候性に優れ、耐薬品性に優れています。
このような特性から、塗料、顔料、ゴム、プラスチック、化粧品などに使用していただいています。
乾式カオリンは、乾式で精製し、分級することにより粒度を調整しています。
ゴム、プラスチックなどの無機充填剤、耐火物などに幅広く使用していただいています。
平均粒子径 (μm) |
白色度 (%) |
pH | 330mesh 残査(%) |
水分 (%) |
備考 | |
RC-1 | 0.4 | 78 | 4.0-6.0 | 0.5 | 1.0 | 乾式カオリン |
ろう石クレーの原料は、天然に産出するろう石と呼ばれるパイロフィライト(化学式:Al2O3・4SiO2・H2O)です。
カオリンクレーとは、原料由来の結晶構造や組成が大きく異なります。
ろう石クレーは、製造方法の違いにより湿式クレーと乾式クレーがあります。
湿式クレーは、湿式で粉砕し、漂白精製し、分級することにより、不純物が除去され、白色度が高く、シャープな粒度分布を持つ、微粉から超微粉までの粒度を調整したクレーを製造しています。
さらに、有機物と親和性があり、耐薬品性に優れることから、塗料、接着剤、ゴムなどの充填剤はじめ、その他にも農薬などに使用していただいています。
また、日本薬局方カオリンは医薬品や化粧品に使用していただいています。
乾式クレーは、選鉱したろう石を乾式で粉砕し、分級することにより多種品目を製造しています。
比較的安価であるため、建材、ゴムなどの無機充填剤、耐火物、農薬などに幅広く使用していただいています。
白色度 (%) |
水分 (%) |
見掛比重 (g/ml) |
330mesh 残査(%) |
pH | 備考 | |
NNカオリンクレー | 84.0以上 | 1.5以下 | 0.23~0.32 | 0.01以下 | 3.8~5.0 |
湿式クレー 一般用標準品 |
カオリンクレー5M | 84.0以上 | 1.5以下 | 0.18~0.24 | 0.01以下 | 5.0~7.0 |
湿式クレー 5μm以下の粒子を主体とした微細品 |
ハードシル | 83.0以上 | 1.5以下 | 0.23~0.32 | 0.01以下 | 5.0~7.0 |
湿式クレー pHを調整した特殊品 |
STカオリンクレー | 80.0以上 | 1.5以下 | 0.18~0.32 | 0.01以下 | 3.8~5.0 | 湿式クレー 汎用品 |
No.5カオリンクレー | 80.0以上 | 0.3以下 | 0.35~0.45 | 0.5以下 | 5.5~7.5 |
乾式クレー 一般用標準品 |